NISAと個人型確定拠出年金の違いは、いつ引き出せるか?ということ
少額投資非課税制度として株式運用による利益や配当益を非課税にすることができるNISAと、個人型確定拠出年金の401k。
この二つの制度は、どちらも投資を行った事による税金が非課税になるという点では同じなのですが、違いもあります。
最も大きな違いは「いつ引き出すことができるか」という点です。
401kの場合には、もともと年金のために個人で行う積立投資のようなものですから、基本的にどんなに利益が出ても定年退職の年齢になるまでは引き出すことができません。
定年前に引き出してしまうと莫大なペナルティが課せられてしまうため、それまでコツコツと積み上げてきた利益が大幅に目減りしてしまいます。
そのため、個人型確定拠出年金の場合には、定年までは使わないと考えて積み立てていくことが必要となります。
もし定年までお金が必要になりそうなのであればNISAの方が向いているかも
一方、NISAは年金目的だけでの積立投資ではありませんから、もっと自由度は高くなります。
NISAでの投資は、あくまでも出た利益が非課税という制度で、投資の目的が年金に限定されているものではありません。
非課税の期間も、10年間が上限と定められています。
もちろん、その10年が過ぎる前に住宅を購入するための頭金や、子供の教育費などでまとまったお金が必要になった場合には、引き出してもOKです。
早めに引き出したからと言ってペナルティがかかってしまう心配もありません。
NISAも個人型確定拠出年金も利益は非課税というメリットがありますが、もしかしたら定年前にお金が必要になるかもしれないという人なら、流動性が高くてフレキシブルに対応出来るNISAの方がおすすめです。
非課税の扱いとなる期間も異なっています。
NISAでは非課税期間は最大10年までとなっていて、その後は利益に対しては税金がかかってきます。
一方、401kの場合には、定期的にそうした手続きをしなくても、定年となる年齢までは利益はずっと非課税の状態を維持できるというメリットがあります。
定年退職に向けてまとまった金額を積み立てて貯金していく場合には、いちいち口座を解約して持っていた株式などを手放して買い直す手間や労力、手数料などが一切かかりませんから、長期間の投資としては、個人型確定拠出年金の方が高いメリットがあると言えるでしょう。
NISAという制度は、まだ発展途上の制度のような気がしています
個人型確定拠出年金と比べると柔軟性があるNISAですが、制度としてはまだ発展途上のものと私は考えています。
NISAの一番のデメリットとしては、非課税の期間が決められていること。
とりあえずは5年。その後5年まで非課税の期間を延ばせますが、最大10年です。
そして、この10年に達したタイミングでもし損が出ていた場合、NISAを使っていない時よりも損をする事になってしまいます。
具体的には、損益通算が出来なくなることです。
通常は、損をしていると、他の儲けが出ているものと損益を相殺して、税金を節約することが出来るのですが、NISAの期間が終わる際に損が発生していても、この損益通算が出来ません。
その分、税金が余計にかかってしまうと言うことになります。
この点は、国も認識しているらしく、期間が20年まで延ばされた「積立NISA」なるものも検討されていたりとまだまだ制度が進化していくような気がしています。
現時点のNISAの制度は使いやすいとは言えない制度、だと思っています。
ですので、何だか良くわからないな~という感じで不安があるのであれば、無理して始めることは無いと思います。
ただ、各証券会社では、NISA向けのキャンペーンをいろいろやっていますので、そのキャンペーンだけ利用してとりあえず、NISAの口座は開設してしまうというのも手かも知れませんね。
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