NISAを使ったとしても必ず儲かるとは限らない
年間120万円までの購入枠の中でなら価格変動による利益や分配金、配当金などすべてが非課税で取引できるNISAは、利益が出る人にとっては大きなメリットを実感することができます。
しかし、価格が思うように上がらずに下落してしまうような場合には結果的に大損になってしまうリスクがあるため、取引を始める投資家はあらかじめ理解しておきましょう。
ただし、これはNISAを使った場合でも使わなかった場合でも同じ事です。投資の原則ですね。
NISAでおすすめなのは低コストなインデックスファンド
通常の株取引では、1つの銘柄の取引で損失が出たとしてもほかの銘柄で利益が出れば相殺して最終的にはプラスにすることができます。
また、株式投資の場合には価格が下がって来てそろそろ危ういなという時には損切りをして手放したり、リスクヘッジのテクニックを使って損失を出来るだけ緩和するための工夫もできます。
しかし、NISAの場合には年間120万円という購入枠を1度使ってしまうと何回でも繰り返して使うことができませんし、分配金が自動的に投資に回った場合にはその分配金も購入枠を使ったとしてカウントされるという特徴があります。
そのため、頻繁な取引をすることができないのです。
NISAで大損しないためには取引をする銘柄を最初に慎重に選び、短期間に利益が出るようなタイプよりも中長期で安定した利回りで運用できるタイプのファンドを選ぶのがオススメです。
その中でも低コストなインデックスファンドなどの投資信託などは特に人気があり、もともと中長期という長いスパンで運用するタイプの取引商品なので、NISAにおすすめです。
NISAの一番の問題点は損をしたまま非課税期間が終わってしまうこと
もしも大損した状態でNISAの非課税期間が終了してしまうとどうなるのでしょうか?
非課税期間がすぎると投資していた資産は全て一般口座へと移管されることになりますが、ここで注意したいのは移管する際の価格はその時点での価格となり、最初にNISA口座の中で購入した価格とは異なるという点です。
つまり、移管することで価格がリセットされてしまうためその後少しだけ値が上がって売却した場合などには、実際には大損していたとしても移管で価格がリセットされたために「利益が出た」という事になり、税金がかかってしまいます。
この点はNISAで大損した時に直面する最大の問題点となっています。
もしかしたら今後は改善されていくのかもしれませんが、2016年12月現在ではルールが変わる予定はないようです。
この点が改善されれば、迷うことなくNISAはおすすめなのですが、この点だけが残念です。
改善されることを望みます。
関連ページ
- NISAとは何?NISAを使うことにどんな意味があるのか?
- NISAは少額投資非課税制度という、投資で得た利益が非課税になるという投資家にとっては数少ない有利な税制度です。NISAを使うとどんないいことがあるのでしょうか?
- NISA口座はどこで開設すべき?開設のポイントは?
- NISAで積立投資を始める際にはNISA用の口座を開設しなければなりません。今はいろんな金融機関で口座を開設できますが、どこで開設するべきでしょうか?ポイントはどんなところでしょうか?
- NISA口座は一度開設した後、あとから変更できるのか?
- NISAで積立投資を始めるためには、ネット証券会社に口座を開設しなければなりません。一度開設したNISA口座は、後から変更できるんでしょうか?
- NISAはいくらから始められる?下限はあるの?
- NISAは投資で得た利益が非課税になるという投資家にとっては数少ない有利な税制度ですが、いくらから始められるものなんでしょうか?実は、100円から始められるんです!投資家に有利な制度ですからとりあえず始めてみるのがオススメです!
- NISAの非課税期間はいつまで?5年後までなの?
- NISAは投資で得た利益が非課税になるという投資家にとっては数少ない有利な税制度です。しかし、恒久的な制度ではなく、非課税になる期間が決められています。いつまでが非課税期間になるのでしょうか?
- NISAでアメリカ株を売買するときの注意点は?
- NISAでは日本国内のインデックスファンドやETFに加えて、外国の株式やETFも対象に含めることが出来ます。アメリカ株を売買する時を例に注意点を考えてみます。
- NISAがデイトレに向いていない理由は?
- NISAは少額投資非課税制度という、投資で得た利益が非課税になるという投資家にとっては数少ない有利な税制度ですが、デイトレには向いていません。その理由を考えてみます。
- NISAで運用益が出なかったときのデメリットは?
- NISAは投資で得た利益が非課税になるという投資家にとっては数少ない有利な税制度ですが、運用益が出なかった場合にはデメリットにもなり得ます。
- これからNISA口座を開設する際に必要な条件はあるのか?
- NISAは少額投資非課税制度という、投資で得た利益が非課税になるという投資家にとっては数少ない有利な税制度です。NISAを始めるにあたってはNISA口座を開設しなければなりませんが、必要な条件はあるのでしょうか?
- NISA口座を開設する際の必要書類は?住民票も必要!
- 投資で得た利益が非課税になるNISAですが、使用するにはNISA口座を開設しなければなりません。口座を開設する際に必要になる書類は何なのでしょうか?
- NISA口座は複数の証券会社で開設できるのか?
- NISAを始めるためには証券会社でNISA用の口座を開設しなければなりませんが、複数の証券会社で口座を開設することはできるのでしょうか?
- NISA制度について分かりやすく1000文字で説明してみる
- 投資で得た利益に税金がかからないNISAですが、結構制度が複雑でわかりにくいです。なるべく分かりやすく、簡潔に説明してみます。目標1000文字!
- NISA口座に有効期限ってあるの?有効期限が切れたらどうなる?
- 投資で得た利益が非課税になるNISAですが、その制度に有効期限はあるのでしょうか?その有効期限が過ぎたらどうなるのでしょうか?